レトリックとは、ことばをうまく使うことです。
ここでは「上手い」「巧い」「旨い」の3つの意味に分けて、説明をしてみます。
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「上手い」レトリック。おどろくような、印象に残る言いあらわしかたをする。
うまく気持ちが伝わるような、心のこもったことばを使う。同じ考えかたを持ってもらえるように、受け入れやすくなる言いかたをする。
「レトリック」とはそういった、すごいと思うような表現をまとめたものです。
人類がことばを使い始めてから現在まで、それなりに長い期間があります。そのなかで「すごい」と感じたものを、より合わせて整えまとめたのが「レトリック」です。
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「巧い」レトリック。技のある言いまわしのこと。
みんなが理にかなっていると感じる、テクニックをもった話の進めかた。これを「レトリック」ということがあります。
ですがテクニックとなった「レトリック」には、残念ながら悪い面が目につくようになります。
テクニックは、だんだんとノウハウになる。ノウハウは、どうしてもマンネリ化していく。マンネリ化したものは、もはや「うまい」言いまわしだとは考えられません。
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「旨い」レトリック。これは「旨い汁を吸う」時に使われる表現のこと。
だますとき使う、見せかけだけ良い話。ふだんの「レトリック」ということばは、たいていこの意味で使われていると思います。
別に、サギ集団だけが「レトリック」を振り回しているのではありません。ゴマをするとか、いい子ぶるとか、カモフラージュするとか。どうしても「レトリック」を使うことがある。「レトリック」はべつに、犯罪者や黒幕だけが利用しているのではない。こちらのトクになるように話を持っていく、それも「レトリック」です。
(788文字:クセのある説明になってしまいました。)