メタファー。基本的には
のこと。場合によっては
のこともあります。
西洋の文化を取り入れたとき、いろいろな漢字をあてました。英語のmetaphorについては、
と訳すことにしました。漢字を使わずにカタカナで書きあらわすと「メタファー」となる。なので「メタファー」は基本的には、
の意味です。
もともと「モノゴトをたとえること全て」を意味する、
という用語があります。この
との関係を考えてみます。
は、大きく2つに分けることができます。
ひとつは
。もうひとつは
。
で、これはmetaphorの日本語訳だということで「メタファー」とも書く。なので「メタファー」とは
のうちの1つということになります。
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さて。中には、ここまでの文章では疑問に答えていないという人もいるはずです。なので、もう少しだけ踏みこんだ説明をします。
20世紀の頃に、レトリックの学問で「大きな発想の転換」が起きます。ここでは仮に《「隠喩」最強説》と呼びます。モノゴトをたとえるということは、すべて結局「隠喩」が説明できる、という《「隠喩」最強説》です。
これによって「隠喩」が「モノゴトをたとえること全て」を意味する用語に、格上げされます。「メタファー(metaphor)」も、同じく格上げになりました。
でもよく考えると。もとから「モノゴトをたとえること全て」を意味する、「比喩」という用語がある。そのため《「隠喩」最強説》で格上げされた「隠喩」が、「比喩」と同じことを指ししめすことになった。これにつれて「メタファー(metaphor)」についても格上げによって、「比喩」と同じ意味を持つようになった。
結論として、「メタファー」とは
のことだといっても構わない。ふつうの教養としては、これだけのことを知っていれば困ることはないはずです。
(866文字:《「隠喩」最強説》は、専門的には《相互作用説》といいます)